第23話 "BE THERE">3<
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「い゛っててて」
「昨日の体術演習か?」
「ああ…」と顔を顰めた男の人が、腕を擦った。
金山寺に来てもう半年程が経つが、三蔵様と江流以外の人を見るのは初めてだった。
『つるつるじゃないお坊さんもいるんだぁ…』
鐘楼台の影に身を潜めて伺いながら、思わず零す。
そういえば三蔵様も三つ編みにしているし、江流も普通に短いままだ。
お坊さんとは皆ハゲているものだという自分の認識はどうやら、間違っていたらしい。
「あのガキ、思い切りやってくれやがって…!」
「ああ…あのキレーな顔した?」
「三蔵様の育て子だかなんだか知らねェが、仏道に帰依してもいないくせに「おい!サボってないで手ェ動かせよー」
髭生やした人までいる…
『江流…どこだろ…』
暫く辺りを見回していると、本堂の方から一塊になった僧達が移動していくのが見えた。
『!』
鐘楼台から一息に飛び降り、上から見えた方向へと足を向ける。
大人に混じってもしゃんと背筋を伸ばして歩く姿がやがて、法堂へと消えていくのを見送り空を仰ぐ。
『――っくしゅん!』
中天に差し掛かろうとしている太陽のカラリとした光に手を、翳した。