第22話 "BE THERE">2<
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それがどういう事なのかよく分からず、内心で首を傾げる。
『…それじゃあ、江流の名前は三蔵様がつけてくれたの?』
「ああ。」
『……ふぅん。』
チリンと鳴った風鈴に顔を向けると、遅れて届いた風がそよと項を撫でていった。
「お前は?」
『私も揚子江は見た事あるけど、海はないの。行ってみたいなぁー。』
「こう熱いと、確かに泳ぎたくもなりますよねぇー。」
「三蔵様」と振り返った江流が、立て膝をついていたのを慌てて正座に直す。
『三蔵様は、海に行った事がおありですか?』
「ええ。それは大きくて冷たくて、中に入ると今頃は、とても気持ちが良いでしょうね。いつか行ってみるといいですよ江流も春炯も。」
『行きたーい。ねぇ、江流も行きたいよね?』
「…泳げるのかお前。」
『うん。どうして?江流泳げないの?平気よ、もしそうでも私が教えてあげられるもの。』
「いや…」と何か言いかけて言葉を飲み込んだ江流を見ていた三蔵様が、くすりと笑った。
「互いに学ぶ事が多いですね、貴方達は。」
「…はぁ」とこめかみを搔いた江流が、こちらを見る。
笑いかけると少し時間をかけて、薄い唇が僅かに、綻んでいった。