第22話 "BE THERE">2<
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庭の掃き清め方も、茶の淹れ方も知らない。
知った事じゃないが、そいつは名に相応しいしとやかさの欠片もなかった。
「~っおい!」
悉くワケの分からない絵で埋め尽くされた紙片が散らばった畳に、紙飛行機が滑り込んでくる。
『あ、江流!遅い!』
三蔵様宛の書簡が姿を変えたソレを手に取り、床を指差す。
「何だよコレ!コレも!!読み書きを教えろと言ってきたのはお前だろうが!」
軽い動作で室内へと上がりこんできた春炯が、むうと頬を膨らませた。
『だってつまんなかったんだもん。江流、なかなか帰ってこないし。』
「俺だって暇じゃないからな!で?昨日渡した書物はどうした?」
『読み終わった。』
あっけらかんと言って背中を向けるのに呆気にとられていると、『はい』と丁寧な手つきで本を差し出される。
「……もう読み終わったのか。」
『うん。面白かった、ありがとう。』
ざざっと邪魔なモノを手で脇に退けた手が、代わりに部屋のど真ん中に小机を落ち着ける。
『今日もヨロシクお願いします。』
ぺこりと頭を下げるのに「ああ…」とだけ返し、裾を捌いて腰を下ろす。
「お前、本当に暇なんだな…。」
『だから、そう言ってるのにー。』