第22話 "BE THERE">2<
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楽しそうにくるくると踊るように箒を振り回すのに息を吐き、後ろ手をつく。
「……日が暮れそうだな…」
「良いお兄さんですね、江流。」
「さ、三蔵様!」
慌てて立ち上がると微笑んだ三蔵様が、庭を見やる。
「似合いますね。」
「……箒がですか?」
「いえそうではなくて」と笑い混じりに返され、首を捻る。
「桜の木の下にいるのが、似合うなと思って。」
「…もう青葉ばかりですが…」
「おや、もう名をどう書くかまで聞き出しましたか。貴方も隅に置けませんね。」
「…意味が分かりません。」
眉を顰めると、縁側が急な重みを受けてギシッと耳障りな音を立てた。
「…おい。」
『…はぁい。』
くすくすと降る笑い声をくすぐったく思いながら見ていると、屈み込んで草履に手を伸ばす少女の横顔を艶やかな黒髪が滑り落ちていく。
「髪、伸びましたね。」
『三蔵様と同じくらいにまでになりたいな。』
「おや、嬉しいですがそれはまたどうして。」
ひとつ瞬かれた漆黒の瞳が、徐にこちらを仰ぎ見てくるのに面食らう。
「………」
「ふふ、仲良しですねぇ。」