第20話 "BE THERE">0<
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『――…。』
薄く色づいた空に流した視線の先を一羽の鳥が、飛んで行く。
「…どうした。」
首を振って何でもないという事を示し、すでに温度を感じなくなった水の中に戻る。
手を合わせて目を閉じ、忘我の淵へと爪先をかけた時。
「……橙ばっかだな…」
『………』
見事に引っ張り戻されて目を向ければ、「これ」と示される。
――ホラ
『相反する二つの色は、お互いを引き立てあう。橙と、青色と…』
綺麗でしょう?
『三蔵様が、教えて下さいました。』
金山寺を離れてもうすぐ、5年。
次の春には私は、11になる。
この斜陽殿の巫女として正式に、奉職する事になるだろう。
『………』
髪先から落ちた雫が水面を揺らす。
次に
逢う時は――
朝の光の中で不思議と遠く響くその声を聞きながら目を、閉じた。