第1話 Begin again
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「…良いのですか、観世音菩薩。」
背後から投げられた声を聞きながら、頬杖をつく。
「西王母様のお耳にすら入れず…」
「自分で見つけるだろ。」
キラキラと陽を溜めて輝く水面から目が、離せない。
それはきっと
「あの人も…兄上も。」
誰も同じ。
――私は私よ。
それならそんな目をして、見ないでくれとこれまで何度願いながら。
「………」
天に向かって咲く蓮のその向こう、廻る森羅にその煌きをみつけてしまったその時から。
ずっと。
「……守ってみせろよ…」
呟いた端から散っていく言葉がどうかそこまで、届くように。
この願いがせめてどこまでも共に
仄かな温かさえ伝えてくる炯に伸ばした指先に、広がる波紋。
「今度こそ…。」
在るように。
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