第16話 Survive
夢小説設定
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しゅるりと紐解かれた巻物が、硬質な床を撫でる。
「これ、何だか知っている?」
「――いや…」
「ただの経文じゃないわよ。この世を創生する際に神が用いたとされる天地開元経典のひとつ。」
進化という希望の光を司る、”聖典経文”――。
「全部で5つあるこの経文それぞれの守り人につけられた称号が、三蔵法師なのよ。」
「三蔵……」
「この聖典経文の解読を長年試みてきたけれど、他の経文が必要だと最近判明したの。」
「だから大量の刺客を送って経文だけでも奪取しようとしているってことか。」
「紅孩児、貴方に新たな任務を与えるわ。未だ行方すら定かではない他の3つの経文を追うこと。」
「…経文さえ揃えば、この実験は本当に成功するんだな?」
「母上の呪縛は解けるんだな、ってことかしら?それは。そういうことはきちんと任務を果たしてから言いなさいよ。」
中断していた作業を再開しようとボードを手に取りながら、そういえばと思い当たる。
普段思い出しもしないその顔が、脳裏に浮かぶ。
自分とは似ても似つかない、寧ろ今目の前に立ってこちらを何かワケの分からないモノでも見るような目で見るこの男と、同じ顔。
「李厘のこと、あんまり城から出さないようにして頂戴。」
――そうよ。
「あの娘はアタシと牛魔王の、大事な一人娘なんですから。」
とても大事な――ね。