第15話 螺旋の暦 5
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しれっと前を向いたまま言うのに苦笑して、視線を戻す。
「三蔵も人が悪いですね。」
「…お前にだけは言われたくない台詞だな。」
意味が分からない。
がしかしきっと、彼なりのジョークなのだろうと笑って流す。
「ところで、さっきの話ですけど…」
「さっき?」
「桜花…命が最後に悟浄に言った言葉ですよ。」
「ああ、あれか。」
後ろで髪を掴まれた春炯が、触らないでよと割と本気で悟浄の肩を蹴飛ばすのを横目に、三蔵を見る。
「本当なんですか?」
「さあな。」
さして興味もなさそうに言ったその口元が、微かに弧を描くように引き上がる。
「…ほんっとに人が悪いですね、貴方は。」
「痛ってぇな!」
『信じられない!女子には優しいんじゃなかったの!?』
「ちょ春炯、危ねぇって!」
『聞いてるの悟浄!』
「ちょ抜ける抜ける髪抜けるっ!!」
「走行中は立たないで下さいね~」
「春炯危ないってマジで!!」
ガォンと獣の吠え声のような銃声がひとつ、開けた大地に響き渡っていった。
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