第15話 螺旋の暦 5
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突然小さな少女にしがみつくように抱きつかれ、目を瞬く。
「それが誰か、分かるか?」
見下ろしてくる紫暗の眼に促され、自分の首に回されている細い腕に再び目を戻す。
「………」
僅かな空気の流れにふわふわと舞う栗色の髪が、頬をくすぐる。
華奢な肩に手を置いて、正面からその顔を覗き込む。
こんな幼い少女、知り合いにはいない。
いない、筈なのに。
明るい色の瞳が、薄く涙を溜めてこちらを見つめていた。
昔失った、大切な面影が心を過ぎる。
「………命…?」
頼りなく呼んだ名前に瞬間、花が咲いたような艶やかさで笑う頬に、涙が零れた。
「…どういう…事だ、何で……」
「貴方に、伝えたい事がありましたの。」
白く小さな指先がそっと頬を、包むように触れる。
ずっと
返事を…貰う筈だったんだ。
こんな風に自分を見る瞳をずっと
「私も貴方が好き。もう一度、巫女になる前の子どもに戻りたいと願ってしまうくらい…大好き。それだけ、どうしても伝えたかったの。」
次に会った時に
ずっと。