第15話 螺旋の暦 5
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三蔵のせいで、ここは妖怪に襲われた。
そのせいで、大切な誰かが死んだ。
それでそれをもたらした誰かを殺したいくらいに恨むその心の動きは、自身に置き換えてみれば、よく分かる。
それでも。
それだけは、絶対に、譲れない。
そう思って目に力を込めた瞬間、首に巻きつけてある布が勢いよく後ろへ引っ張られた。
「おわっ!?」
バランスを崩して尻餅をつき、後方を見上げる。
「何すんだよっ」
「もう終わってんのに、ごちゃごちゃ煩せーんだよ。」
「終わってるって…でもアイツまた銃持ってんじゃだっ」
「バカ猿」という低い声と共に後頭部に降ってきた衝撃に、声を失くす。
「~っ!」
「銃弾入ってない銃の使い道なんざ、このぐらいしかねーんだよ。」
「…はぁ?」
痛さも忘れて、首を傾げる。
「叶の銃に、銃弾なんか入ってないって事だ。」
「……なんで?」
「俺を殺すんじゃなくて、俺に殺される気だったんだ。そうだろ。」
最後の一言を正面を見て言った三蔵に、ひとつ、瞬いた。