第15話 螺旋の暦 5
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「私がおぶさったって、重さなんて感じないくせにっ」
目にも鮮やかな紅の髪を引っ張りながら言うと、「気分の問題だ、気分の」とよく分からない言葉が返ってくる。
「――っ止まって!」
目に飛び込んできた光景に、声を張り上げる。
「痛っ~お前な!今何本か抜けたぞ!!」
「下ろしてっ」
滑り降りるように悟浄の背中から下りた途端、体がよろける。
「これか、女の像が彫ってある木ってのは…」
ふらつく足もそのままに辿り着いた1本の木の幹に、縋るように膝を折る。
ああ
「…これ…」
穏やかで、満ち足りた表情を浮かべた美しい、誰か。
確かめましょう、一緒に――
誰かの目に、映っていたこれは
誰に
「私の…」
弾かれたように立ち上がり、駆け出す。
何を
憶えている、確かに。
私の心と、躯が。
貴方を。