第15話 螺旋の暦 5
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『……悟空の言う通りよ。』
静かな声に、目を向ける。
『叶さんにとっては意味があるんでしょうけど、貴方には何の意味もない勝負だわ。』
常は陽を含んで柔らかく輝く黒が、鉱石のような硬い意思を潜めていた。
「知っているらしいな。」
とそれを真正面から受ける三蔵の横顔を盗み見て、おいおいと内心で辟易する。
『街で買い物してる時に聞いたの。こんな勝負受けるくらいだから、貴方も知ってるみたいね。』
「………」
取り出した煙草に火も点けられないような雰囲気に舌打ちかけたのとほぼ、同時にバンッともの凄い音が降ってくる。
「なんなんだよっ!全っ然分かんねぇっ!!」
椅子を蹴倒す勢いで立ち上がった悟空の大声に、桜花がびくりと肩を揺らす。
「9年前、この街が妖怪に襲われたのは俺が原因だ。」
「…え「妖怪は俺を追ってこの街に来たんだ。」
完全に勢いを削がれたらしい悟空から視線を外し、三蔵を見やる。
「じゃあ、その時叶って奴の身内とか親しい奴が殺されて…それで三蔵を殺したい程恨んでるって事か?」
「そんなところだ。」
「じゃあ、私が…死んだのも…?…」
強張った声に、身を硬くする。
「……取り憑く相手を、間違えたな。」