第15話 螺旋の暦 5
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「明日、ここを発つ。」
有無を言わさぬ口調に、室内から瞬間音が絶える。
「…っておい、コイツどうすんだよ?」
昨日と同じ位置に腰掛けて食事の終わるのを待っていた桜花の幼い顔には、戸惑いと不安が浮かんでいた。
「期限の3日までまだ余裕あるじゃん。」
「もうケリはついた。」
「なんか手掛かりあったのかよ?」
「俺は、ケリがついたと言ったんだ。」
苛立ちを隠さずに身を乗り出す悟浄を見返した三蔵が、続ける。
「名前は命。妖怪に襲われて死んだ。知りたかったのは、この2つだな?」
打たれたように大きな瞳を見張っていた桜花が苦しげに顔を歪め、首を振る。
「違うのか?」
「確かに、名前と死んだ理由を知りたいって言ったけど…そうじゃ、なくて……っ」
「そうじゃなくて、誰かに何かを伝えたかったんだってよ。」
「…誰に、何を。」
「だーから、コイツはそれが知りたいんだって。」
縋るような視線をただ受け止めていた三蔵が、ややあって顔を前に戻す。
「明日、銃弾を取りに行く時お前もついて来い。」
「なんで?」と眉を上げた悟空に目を伏せ、そちらを見やる。
「命の事は、多分そいつが1番よく知っている。」