第14話 螺旋の暦 4
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「悟浄!とっとと来いって!」
元々それ程好きでもなかったが、本格的な子ども嫌いになる日も近い。
「放っておいたら。おじさんにこの山道はキツイんでしょう。」
先頭を行く悟空が振り返って足を止め、声を張り上げるのに桜花が続ける。
誰がおじさんだっ!
怒鳴り返したいのは山々だが、ここで言い返したらアイツ等と同レベルだと懸命に自身に言い聞かせて足を踏み出す。
とはいえ山に足を踏み入れてから、もとい宿を出てからずっとこれの繰り返しでそろそろ忍耐の限界にも限界が見えてきた。
「あれ、あれじゃね?」
と、悟空の声に顔を上げるがその姿がない。
残り30段程で階段は終わっており、その先には大木があるのみだ。
「…おい…?」
慌てて一段飛ばしで階段を最上段まで駆け上がり、辺りを見回す。
すると左側の林の間にある建物に目が留まり、先を行く悟空と桜花の後姿も確認出来た。
恐らくあれが、話に聞いた巫女とやらが住んでいた屋形なのだろう。
「…って事は、またあそこまで歩くのかよ…。」
肩を落とし、引き摺るようにして足を踏み出す。
自分は一体、こんな所で何をやってるのか。
何故こんな事になったのか…
自業自得という言葉の意味を噛み締めながら、長く息を、吐き出した。