第14話 螺旋の暦 4
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響いた一喝に、そろそろと店へと歩を進める。
「その時死んだのは男の子だよ。」
「そうですか…」と振り返った八戒と目が合い、どちらからともなく首を傾ける。
「あんた達、一体何探してるの。」
「いえ、大した事じゃないんですけど…」
『9年前、妖怪に襲われたのは山の上の屋形だけかと思ってたら、街の方も被害を受けていたんですね。』
多少苦しい話題転換だったが、女性は身を乗り出すようにして「そうなんだよ」と眉根を顰めた。
「最初は街の方で暴れてね。金髪のガキはいないかって。」
ああ
「金髪…ですか?」
やはり。
確認するように繰り返した八戒も、気づいただろう。
「そう。そんな子どもはいないと分かってから、妖怪達は山へ向かったんだ。」
その後も幾つか当たり障りのない会話を交わし、女性に礼を言って店を出る。
――妖怪です。
妖怪の夜盗群が…
追っていた三蔵はまた、追われてもいたのだ。
それが同一の賊だとは限らないけれどそう考えれば、辻褄は合う。
昨日会った叶という男の変貌もだとすれば、あるいは。
「……さて、どうしましょうかね…」