第14話 螺旋の暦 4
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「結局銃弾の補充も出来ませんでしたし、三蔵の方にも気になる事があるんだと思いますよ。」
「ふーん。」
気のない返事で煙草に火を点ける悟浄とは裏腹に、真剣な眼差しを向けてくる悟空を見やる。
「なぁ2人共、何かあった?」
主語が欠落していても、自ずと分かる。
悟空がこんな表情をするのは、唯ひとりの人物が関わってくる時のみだ。
『…直接聞かないの?』
淡い笑みを浮かべた春炯が、振り返った肩越しに問う。
「聞いたって答えないの、春炯だって知ってるだろ。いっつもそうだ。俺に何かあると三蔵にはすぐ分かんのに、これって不公平!」
「悟空だって、気づいたじゃないですか。」
「何があったか分かんなきゃ、意味ねーじゃん!」
「それ、分かるっつーより見抜かれてんじゃねーの?」
「単純だから」と続けて笑った悟浄を、怒りで輝きを増した黄金眼が睨みつける。
「大体叶って誰だよ?」
縋るような視線に、眉根を下げて肩を竦める。
「僕も詳しく知ってる訳じゃないんですけど、三蔵の昔の知人だそうです。希紗さんの話からしても以前と比べて大分人が変わってしまってるみたいなんで…それで気になってるんだと思いますよ。あ、それと悟浄。三蔵からの伝言です。」
「あ?」
言いながら手を伸ばして戸口付近に立ったままの春炯の腕を引いて、外へと連れ出す。
「3日以内にケリがつかなかったら、悟空ごとここに置いてく、だそうです。それじゃあ、お休みなさい。」