第14話 螺旋の暦 4
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「春炯?」
呼びかけると、遠くを見るような目でこちらを見つめていた春炯がはっとしたように目を瞬く。
『あ、ごめ…』
困ったような笑みが、扉を叩く音で遮られる。
「どーぞー」と灰皿を引き寄せながら悟浄が応えると、「お邪魔します」と八戒が扉の向こうに姿を見せた。
「あれ?ひょっとして話の邪魔もしました?」
「いんや、別にー。」
「何の話だったけか」と煙草を銜えながら言う悟浄に、春炯が微かな笑みを浮かべて目を伏せるのが見えた。
「貴方がどうしても私と一緒に寝たいって我がまま仰ってたんでしょう。」
「それは困りましたね。」
「ええ。」
「ちょっと待て。誰がいつそんな事言った?」
「だって床で寝るの、嫌なんでしょう?それともまさか、私に床で寝ろとでも仰るの?」
「「『………』」」
「………チッ。」
どうやら諦めたらしい。
「場が丸く収まったところで、いいですか?取り合えず滞在延長決まりましたんで、報告しときます。」
「よく三蔵が納得したな。」
軽く肩に手をあてて立ち上がった春炯が扉の方へと向かうのを見送りながら、悟浄が呟く。