第14話 螺旋の暦 4
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山で見た、女性が彫られていた木々。
あれは全て、桜の木だった。
「分かったみたいだな。」
見ているうちに表情を変化させた八戒に言い、布団を引き寄せる。
「でも桜の木なんて、どこにでもあるんじゃ…」
「1本や2本ならあるだろうが、桜花の言ったように”辺り一面が薄紅に染まる”のはあの場所くらいだろう。」
春になると――
「…9年も前に聞いた事だから、どこまで正しいかは保証しかねるがな。」
「それは希紗さんに聞けば確認出来ますね。何にせよ、悟浄は喜びますよ。」
立ち上がってドアの方へと向かう八戒に背中を向け、本格的に寝る体勢をとる。
「ついでに、宿泊延長のお願いもしてきますね。」
さもついでのような確認に、舌打つ。
本来ならば、明日にでも出立の予定だったというのに。
「三蔵も、明日街の方で銃弾を探して探してみるんでしょう?」
いっそ次の街で探した方が確実なのではないかとは思うが、一応はそのつもりでいた。
とはいえ悟浄のせいで八戒の思う壷にハマるのも癪に障る…
暫しの末、「八戒」と声をかける。
「ついでに悟浄にも伝えろ。3日以内にケリがつかなかったら、悟空ごとここに置いてくってな。」
「……わかりました。」