第14話 螺旋の暦 4
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夕食後。
騒がしい面々を早々に向かいの部屋に戻しただけで、夜に相応しい静寂が訪れていた。
温度さえ1、2度下がったような感覚を覚える。
「どうするつもりなんですか?」
後頭部で手を組んで目を閉じていると、横手からかかった。
瞼を持ち上げ、ちらりと横向く。
自身のベッドに腰掛けてこちらを見る八戒をしばし眺め、再び瞑目する。
「桜花の事ですよ。このまま彼女の要求を叶えるまでこの街に滞在するつもりなんですか?」
「まさか。」
「一緒に連れて行くとすれば、確実にこの旅が終わるまで悟浄は取り憑かれたままですね。」
「あいつをここに置いていくという手もあるぞ。」
「三蔵が悟空の喧嘩相手を買って出てくれるんでしたら、それでも構いませんけど。困るのは三蔵じゃないですか?」
「…そういうお前は、何か考えてるのか?」
「色々考えてますよ。このままじゃ悟浄は未婚の父になってしまうんじゃないかとか。旅が終わって家に戻った時、僕等3人ご近所にほのぼの家族と思われてしまうんじゃないかとか。」
と、いつもながらこの男の言葉はどこまで本気なのか全く分からない。
「冗談はさておき。貴方から見て、彼女はどうですか?」
「…質問の意味が分からない。」
「一般的に言って、桜花みたいな存在は幽霊と分類されるでしょうけど…それにしても特殊過ぎるような気がするんですよね。ですから、専門家の意見を聞こうと思ったんですけど。」