第13話 螺旋の暦 3
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「………」
困惑気味に聞いた希紗に、らしくもなく切羽詰まったような響きを含んだ声。
悟空が目を見張り、悟浄が逆に目を細めた。
「直接の理由は分からないんです。9年前巫女様と当時屋形に住んでいた人全員が亡くなってからなので、それに関係あるんじゃないかって思うんですけど…」
「巫女が死んだのは5年前じゃないのか?」
さっき希紗が屋形に人が住まなくなったのが5年前だと言っていたので、てっきり巫女が死んだのもその時だと思っていたが…
と、正面に座る春炯が微かに顔を強張らせているのが目に留まった。
「巫女様がお亡くなりになった後、他に資格を持つ者がいなかったので、次の巫女様が生まれるまでの間暫く代理の巫女様を置いていたんです。」
だが僅か3年で代理の巫女はその地位を降りた。
所詮代理は代理でしかないという事なのだろうか。
「屋形の人間全員というと、それなりの人数になるだろう?何があったんだ?」
「妖怪です。」
分かるか、分からないかくらい。
いや
表情はほとんど、変わっていない。
「妖怪の夜盗群が…」
その身に纏う空気だけが静かに
言いかけた言葉を途切れさせた希紗が、自身を守るようにぎゅっと盆を胸に抱く。
一瞬で満ちてその動きを、止めた。
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