第1話 Begin again
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「死ねエエっ」
「三蔵いっこおおお」
『………』
「ンな嫌そうなカオすんなよ。」
顔を向けると、澄んだ薄紫に自分が映るのが見えた。
しばしそれを眺めてから、再び視線を眼下に戻す。
『…これから毎日、私もああなるんだと思って…』
「だからそんなカオするなって。」
『…火焔は本当に返さなきゃダメ?』
「ダメ。これからのお前の移動手段は…アレだ。」
血飛沫や細切れにされた人体の只中に鎮座するジープを見て、息を吐く。
あんな狭苦しいところに…想像しただけでエコノミー症候群になりそうだ。
『……なんで私が……。』
「さってと」と呑気に立ち上がるのを睨みつけると、その唇が微かに緩む。
「俺がちょっと目を離したと思ったら、お前がもうアイツの側にいたんだよ。迷う間すら与えちゃくれない。昔からそうさ。」
『…前にも言ったけれど、私は私よ。”焔珠”じゃない。』
だからそんな目で、私を見ないで。
「じゃーな」と背を向けるのから目を逸らし、掛けていた枝から腰を上げる。
『…………またね。』