第13話 螺旋の暦 3
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尻すぼみに不安を口にした希紗が、はっと息を飲んで面を上げた。
「ごめんなさい、なんだか長話してしまって。お食事、冷めない内に召し上がって下さい。」
「お話を伺いたいと言ったのはこちらですから、お気になさらず。」
そうそうと首を縦に振ると「ありがとう」と小さな微笑が返ってくる。
「それじゃ、失礼しますね。」
そのまま空のお盆を手に出て行こうとするのを、三蔵が呼び止める。
「立ち入り禁止だった時、山に住んでた奴がいるが?」
「お屋形以外にって事ですか?」
「ああ。」
暫し考えるように視線を上向けていた希紗が、「あ」と短く声を上げる。
「もしかして、叶さんの事ですか?」
誰だ叶って、と呟く悟空の隣で口に出さないだけで同じ疑問を抱えているであろう悟浄と目が合う。
瞬間顰められた細い眉に、自分が何かしら知るところを顔に出してしまっていた事を悟る。
「あの人は、神事に使う神剣とかを作っていた鍛冶師ですから、特別に山での生活を許可されていたんです。…叶さんに用があって来られたんですか?」
「まぁな。」
「以前こちらにいらしたのって、いつ頃なんです?」
「大分前だ。」
「…叶さんの変わりように驚かれました?」
「理由を知っているのか?」