第13話 螺旋の暦 3
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お盆一杯に料理を載せて部屋に入ってきた希紗が、少女の姿に僅かに目を見張る。
「ちょっとした事情でもう1人お世話になる事になったんです。部屋はこのまま3部屋でいいんですけど、構いませんか?」
「それは構いませんけど、食事はどうします?5人分しかないんですけど。」
「そのままでいいですよ。彼女そんなに食べませんから。」
何の疑いもなく素直に八戒の言を信じた希紗が、手際よくお皿を並べ始める。
「ところで、皆さん今日はどちらへ出掛けられたんですか?」
一斉に視線が集まったのを感じて、慌てたように付け足す。
「あの、この街って何もないでしょう?ここは目的地じゃなくて休憩地だから大概の人が1泊してすぐ次の街に発つんです。でも、皆さん連泊だから何か目的があるのかなって。」
「そうだ。三蔵達、俺と悟浄置いてどこ行ってたんだよ?」
海老ワンタンを箸で掴んだまま口を尖らせる悟空に、黙々と食事を続ける三蔵を横目で窺う。
「ちょっと山登りを…」
「山ぁ?」
「山って、あの山ですか?」
当たり障りない程度に押さえた八戒を援護すべく、春巻きに芥子をつけながら笑みを刷く。
『ひょっとして、立ち入り禁止の場所だったりした?』
「5年前までは。」
『5年前って事は、今は大丈夫なのね。』
「ええ。でもこの街の人でわざわざあの山に登ろうなんて人いないから、ちょっと驚いたんです。」
「立ち入り禁止って、権力者のハーレムでもあったわけ?」