第13話 螺旋の暦 3
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「春炯、コーヒーずっとブラックなんですか?」
『うん、基本は。』
淹れてもらったコーヒーの入ったカップを両手で包んで、暖をとる。
『たまーに甘いものが欲しくなって牛乳とお砂糖入れる時もあるけど、牛乳苦手だから。膜がね、無理なんだよね。』
ややあって膝の上のジープを撫でると、気持ち良さそうにその目が閉じられる。
窓際へと追いやった三蔵の吸う煙草の紫煙が外へとたなびいていくのを眺めながら、口を開く。
『帰ってこないね、2人。』
「静かでいい。」
山を降りてきてからこっち、初めて言葉を発するのに向かいの八戒が視線だけをそちらに向ける。
「まぁ、日が落ちる前には帰ってくると思いますよ。」
と、やや足音も荒く誰かが階段を昇ってくる音を耳が拾う。
横向くと同時にバンッと開け放たれたドアの方へと顔を向け思わず目を、見開いた。
「…お前等なぁ、呑気に茶ァ啜ってる暇があんなら悟空の面倒みろってんだ。こっちは大変だったんだぞ。」
自然口元に手をあてて唖然としていると、細い眉が訝しげに寄せられる。
「何だよ…」
「何でお前は、そう次から次へと騒動を起こすんだ?」
「好きで喚いてる訳じゃないぜ?どっちかっつーと俺は被害者。加害者は悟空を筆頭にしてお前等だろ。」
全く的外れな事を言うのに、悟る。
そうかこの人、視えないのだ。