第13話 螺旋の暦 3
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「俺帰るっ」
駄々っ子のように両腕を振り回して自分から逃れた悟空が、そう言って駆け出す。
振り返りもせずに通りを走り去っていくのを呆然と見送り、思わず呟く。
「何だぁ…?」
髪を掻きあげながら辺りを見回すが、別段何もない。
「何が気持ち悪いってんだ……」
悟空が足を踏み入れようとしなかった場所にぽつりと在る岩に軽く触れ、ガキは分かんねえなと思いながら腰掛ける。
煙草を取り出し、1本銜えて火を点ける。
緩やかな風にのって流れる紫煙を追って、空を仰ぐと同時にぐらりと体が揺らぐ。
何事かと思う間もなく座っていた岩ごと後方にひっくり返り、後頭部と左肩を打ち付ける。
「いって…」
呻きながら体を起こして岩を見やれば、先程まで地面についていた面が平らではなく円形になっているのが見てとれた。
「~何なんだよこの岩…!役立たねぇな!」
怒りのままに足を振り上げ、蹴りを入れる。
が
当然ながら自分が更に痛い思いをしただけだった。
「………」
落ち着け自分、と言い聞かせながら暫し煙草を吹かしポケットに手を突っ込んで踵を返す。
がんがんと鼓動と同じリズムで、頭と左肩が鈍く痛みを響かせる。
全く、ロクな事がない。