第13話 螺旋の暦 3
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「………」
少し離れた場所に見える民家の屋根に視線を固定したまま、地面に腰を下ろして荒い呼吸を整える。
隣では同じように息を乱した悟空が、仰向けに大の字になって寝転がっている。
「三蔵達、どこ行ったんだよぉー…」
まだ僅かに弾んだ声で呟いた悟空を、盗み見ながら。
こいつといる事で、精神年齢が低下していっているのではないだろうか。
街中の大通りから細い路地に至るまで縦横無尽に全力疾走。
自分は別に、そんな事をする為に外に出た訳ではなかった筈なのに。
暫しの後息を吐き、膝を伸ばして立ち上がる。
「どこ行くんだよ?」
「当初の目的を遂行するだけだ。」
「待てよ、俺も行く。」
「どーぞ、ご勝手に。」
街の中心から離れるに従って、木々が密集し緑が濃くなっていく。
がしかしそれは唐突に、終わりを告げた。
「何だよ、これ。」
困惑の声を発した悟空が、僅かに目を見開く。
木々の隙間から見えるのは、昨日一日中見るとはなしに眺めていた赤茶色の風景。
まるで目に見えない線でも引かれているかのように、緑と赤の大地が区切られていた。