第12話 螺旋の暦 2
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「………」
重ねて質問する気にもなれず、身を起こす。
「起きたんなら丁度いい。」
再びこちらに背を向けた男がすぐ側の棚に手を伸ばし、器を取り出す。
そこに先程まで掻き混ぜていたらしい鍋の中身を移し、それを持って自分が腰掛けているベッドの脇までやって来る。
差し出された器の中身を、無言で見つめる。
目覚めの原因となった悪臭の元であるらしい緑がかった液体が、波紋を描いて揺れていた。
「…何だ?」
「薬。」
「何のだ。」
「滋養強壮。」
悪い予感は当たり、どうやらこれは飲むものらしい。
「外傷には必要ないものだろう。」
「傷の手当てをしてやったのは俺だ。腹の辺り、大分殴る蹴るされてただろ?男なら潔く飲め。」
「………」
「自分で飲むのと俺に無理矢理飲まされるのと、どっちがいい?」
「…他の選択肢は?」
「無理矢理の場合、鼻をつまんで口をこじ開けさせる方法と口移しの2通りあるが、どうする?」
飲まないという選択肢はどうあっても与えてもらえないらしい。