第12話 螺旋の暦 2
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「ところで三蔵、どこまで登るんですか?まさか頂上までとか言わないですよね。」
ややうんざりしたように上を見上げる八戒に、三蔵が眉を顰める。
「嫌なら帰れ。」
「それこそ嫌ですよ。折角悟浄と悟空に犠牲になってもらってまでついて来たんですから。ねえ春炯?」
『うーん…』
苦笑して頬をかき、三蔵を見やる。
「そこまでしてついて来て、何か意味あるのか?」
「三蔵がついて来るなと念を押してまで会いに行く相手に、興味が沸かない訳ないですよ。どんな絶世の美女なんですか?」
「俺は銃弾の補充に行くんだぞ。」
「銃火器を扱う美女がいないとも限りませんから。」
「…お前、最近思考が悟浄に似てきたな。」
「……それって、やっぱり傷つくべきなんでしょうか。」
大げさに深呼吸した三蔵が、こちらを見る。
「で、お前は。」
素っ気無い眼差しをこちらも同じ様な温度で見返し、口を開く。
『ただの興味よ。美女かどうかは置いておいても、どんな人か、割と本気で気になるわ。』
青い匂いと、鳥の囀りに心を遊ばせかけた頃ふいに低い声が、耳に届く。
冴えた紫がただひたすらに仰ぐ前方をつられて、見やる。
「昔、世話になった事がある奴。ただそれだけだ。」