第12話 螺旋の暦 2
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「僕のせいってわけじゃないですよね。ちゃんと取引した結果なんですから。」
舌打つと、「そんな怖い顔しないで下さい」と後ろから声が飛んでくる。
「お前の位置から俺の顔なんか見えないだろうが。」
「雰囲気で分かりますよ。ちゃんと約束通り悟空と悟浄が部屋から出れない状況にしたんだから、いいじゃないですか。」
足を止めて振り返ると、春炯が少し遅れてついてくるのが見えた。
体力的に、というよりも単に辺りの風景を観賞しながらのせいだろう。
「どんな手を使ったんだ?」
「後片付けをするように言ったんですよ。」
「後片付け?何の。」
「朝の騒ぎの、です。三蔵も聞いたと思いますけど?」
言われて今朝悟空と悟浄がこちらの部屋を訪れる前に、喚き声と共に何か物が倒れるような派手な音がしていたのを思い出す。
『部屋を覗いたらひどい有様だったわよ。もう、そこだけ地震にあったみたいな。』
追いついてきた春炯が足を止め、腰に手をあてて息を吐く。
「あの部屋を片付けるには、最低でも1時間はかかるでしょうね。」
「よくあの2人がやる気になったな。」
「悟空は素直にやるって言ってくれましたよ。教育の賜物ですね。」
うんうんと真面目な顔を向けてくる春炯を無視し、「悟浄は」と問う。
「希紗さんにやらせるつもりですかって言ったら、嫌々ですが自分達でやるって言いましたよ。基本的に悟浄は女性に優しいですからね。」
「弱いの間違いだろ。」