第12話 螺旋の暦 2
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はぁ、と溜め息を吐いてコーヒーに口をつけた春炯をなんとはなしに見ていると、真正面から視線を感じた。
「蒸し返したのはお前なんだから、何とかしろ。」
「何とかしろと言われても…」
朝から強すぎる圧を飛ばしてくる紫暗に眉根を下げ、ミルクに手を伸ばす。
「じゃあ、さっきの騒ぎをどう止めたか教えて下さい。参考までに。」
「八戒はたった今起きたばかりだ、と教えてやった。」
「……それだけ、ですか?」
「それだけで十分だろ。」
『八戒って、寝起き悪いの?あんまりそんな印象ないけど。』
カップを置きながら言った春炯を、三蔵が眼鏡越しにじっと見やる。
『…何よ。貴方は露骨に悪いけどね。とても。』
そういう彼女も、割と悪い。
まあ言っても単純に、睡眠時間と比例するようだが。
何やら無言で牽制し合う2人から、反対に盛大に罵り合っている他2人に視線を移す。
「放っておきましょう。面倒ですし。ところで、三蔵はいつ出かけるんですか?」
「食事が済んだらすぐ出る。」
「僕達はどうします?」
「来るな。」
きつい口調ではなかったが、間髪入れない否定に春炯が僅かに片眉をあげるのが、見えた。