第12話 螺旋の暦 2
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「で、何が騒ぎの原因だったんですか?」
黙々と新聞を読み続ける三蔵の方を向きながら椅子に掛けた八戒を、睨みつける。
「悟浄が俺をベッドから蹴り落としたんだよ!大人しく寝てたのにさっ」
「なぁにが大人しくだ。俺は心が広いから鼾歯軋りまでは我慢してやったがなぁ、寝言まで言われちゃ、さすがの俺だって耐え切れねぇんだよ。」
『鼾歯軋りが我慢出来たのなら、寝言も多目に見てあげればいいのに。』
パンにバターをつけながら言った春炯に、悟浄がコーヒーカップを持ったまま身を乗り出す。
「いいか春炯。大きな肉まんが降ってくる、だの、腹いっぱいでもう食えないだのを一晩中聞かされてみろ。温厚な俺でもキレて当然だぞ。」
「だからって蹴落とす事ないだろっ」
「悟浄が温厚だなんて…三蔵知ってましたか?」
「知る訳ねぇだろ。」
「ですよね。」
『危ないわよ、悟空。』
春炯の声を遠く聞きながら、サラダの椀を持って再び正面をねめつける。
「大体な!口で言えばいーだろ、口で!寝てる人間蹴落とすか?フツー!」
「おま…煩えっつって聞こえると思うか?あんっなガーガーゴリゴリいってる奴に!そもそも同室でヤローが寝てるってだけで我慢ならねえのによっ」
口にパンを銜えたまま盛大に顔を歪めた悟浄がそう言い放つのに負けじと眉根を寄せつつ、オレンジジュースのコップを手に取る。
「はぁ?そんなん知るかこのエロガッパ!」
「あ゛?」