第11話 螺旋の暦 1
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「なのに、声かけないなんて珍しいですよね。」
「……八戒。」
点けたばかりの煙草を噛み潰し、正面を見やる。
「お前分かって言ってんだろ…?」
涼しい顔で見返してくるのに最早吸う気の失せた煙草を、灰皿に押し付ける。
『別にこの街に同じ様な決まりがあると決まったわけでもないじゃない。』
からかうような笑みを浮かべた春炯が言って、湯のみに口をつける。
確かに。
初めての相手と一生添い遂げるなどという決まりごとを掲げ持つ宗教、街などそうそうあるもんでもない。
っつーか、あってたまるか。
「おい、三蔵。どーなんだよそこんとこ?」
両手をついて立ち上がると、冷たい視線がこちらを向く。
「知るか。」
「知るかって、どーゆー事だよ?」
「知らないって意味だ。」
「~っそーじゃなくて!お前前にここに来た事あんだろ?そん時何か聞いたりしなかったのかよ?」
「この街の人間とは、全く話をしなかった。」
「はぁ?」