第11話 螺旋の暦 1
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「いやぁ。相変わらず見事な食べっぷりですね、悟空。」
食後のお茶を味わいながら、混じり気のない賞賛を述べる。
「フツー、こういう時の効果擬音ってガツガツなんだろうけど、こいつの場合はゴォォーだな。」
つい先程まで悟空の隣で争うようにしていた悟浄が言うと、隣の春炯が空いた皿を片しながら軽く笑った。
「掃除機レベルですか、すごいですね。」
「だって…メッチャうまい、じゃん。」
「物を食ってる時に喋るな、バカ猿。」
自分と同様、食後のお茶を手にした三蔵に注意された悟空が大きく首を縦に振り、再び残っている料理と一人戦い始める。
山の幸を中心に出された本日の宿の料理の数々は、十分悟空のお気に召す物だったらしい。
「あー、食ったぁ。」
最後の一口を終えて箸を置いたその表情は、”至福”と文字で書いてあるかのようだ。
被せるように響いた控え目なノックの音に、春炯が『どうぞ』とドアの方を見る。
「失礼します。」
柔らかな声と共に静かに入ってきた女性が、「お皿下げに来たんですけど、宜しいですか?」と気持ち首を傾げて微笑んだ。
「ええ、お願いします。」
そっと歩み寄り、手際よく大き目のお盆に皿を重ねていくのを手伝おうとした春炯がやんわりと断られ、大人しく椅子に座りなおす。
「すっげー、うまかった。」
『ご馳走様でした。』