第11話 螺旋の暦 1
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「あったぁあ!」
ガタガタと揺れるジープの上で立ち上がり、驚異的な集中力で以って前方を凝視し続けていた悟空が突如上げた大声に、落ちかけていた瞼を開く。
「ホラ、あった!あった、あったってば!」
一点を指差しながら喚く悟空の声を聞きながら身を起こし、外套の前を搔き合わせた。
「やかましいっ。1度聞けば分かる!」
指し示された方向に目を凝らすが、今夜は新月。
深い闇の横たわる中、地面にある物の輪郭を見極めるのは至難の技だ。
「もう少し近づかないと…「あっ。あれだよ、あれ!」
ヘッドライトが掠めた陰影と悟空が上げた声とでなんとか進むべき方向を見出した八戒が、右にハンドルを傾ける。
多少の誤差はあるだろうが、前方20m程の所に確かに不自然に並んだ岩がある。
真正面からのライトを浴びたその光景は、一種異様な光景だ。
岩は縦長で、自分の身長より少し低いくらいだろうか。
多少歪ではあるが円柱の形を保ち、直径は少し太めの人間程もある。
その岩が三蔵の言った通り4、5m程の間をあけて左右に並び、2m程の間隔毎に同じような岩が続けて5本並んでいる。
「…何か、気味悪ィ」と座って身を寄せてきた悟空を、笑えない。
「これ…人工物ですよね?」
『この岩、地面に埋まってるみたいね。』
「岩の検分なんてどうでもいいから、早く行こうぜ。」