第11話 螺旋の暦 1
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呆れたように言った悟浄を睨みつけると、「まあまあ」と八戒がミラー越しに笑いかけてくる。
「安心して下さい。もう2時間程度で街に着きますよ。地図で見た限りですが、結構大きい街みたいですから、2人のご要望にも応えられると思いますよ。」
「マジ?」
「マジかよ?」
『本当っ』
自身のあげた声と悟浄のそれとに込められた感情は、ヤだけど多分結構近い。
『言ってもやっぱりちゃんと暖かいシャワー浴びてからベッドで寝たいものね。』
嬉しそうに八戒のヘッドボードに腕を載せる春炯の背に、頭を預ける。
確かに野宿を逃れたのは嬉しいが、2時間とはまだ大分ある。
とろりと流れる夕焼けはさっきよりも濃くなって、やがて薄く、そして次にまた濃い闇が訪れるだろう。
「無理。我慢の限界…ハラ減って死ぬ!」
「と、言われても…「半分」
「え?」
「その半分の時間で着ける街がある。」
完全にもたれかかっていた体を起こし、声を張り上げる。
「そこっ!今日の夕飯そこに決定!」
「ちょっと待って下さい、三蔵。地図には…」
『載ってなかったわよね。』
「地図にも載らないような小さな街だ。」
「遠回りになりますよ?」
「別に構わない。」