第11話 螺旋の暦 1
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「………もう、いい…。」
このまま無駄に疲れる会話を続けるか、自身で背後の不毛な言い合いを止めるか。
「…お前等、それ以上喚くなら捨てて行くからな。」
後者を選ぶ事にして振り返り、言い放つ。
大人しく口を噤んだのを確認し、前に向きなおる。
「…でもよー」
振り返って睨みつけると、悟浄が細い眉を寄せて口を開いた。
「んだよ、喚いてねーだろ?」
「屁理屈だな。」
「屁理屈でも、理屈は理屈。」
浮かべた嘲笑に、同じようなそれで返してくるのに口を開きかけた時。
『はいはい、そこまで。』
緊迫した空気を掻き消す音と声に、気勢を削がれる。
「保母さんもいましたね。」
『普通保護者の面倒までみる保母さんはいないわ』と返すのにむっとしながら、座席に座りなおす。
『悟浄、さっき何を言いかけたの?』
「いや、今晩どーすんのかと思ってな。前後左右これだろ?」
『確かに野宿には適さない場所ね。』
「野宿って…じゃあメシ!メシはどーすんだよ!」
「お前、ほんっとそれだけだな。」