第10話 In a tender cage 2
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
西に向かって走るジープの上を、夕陽に負けないくらい鮮やかな色が流れる。
「つかよ、お前等いつから見てたワケ?」
「さて、何のコトでしょう。」
「ギャーギャー喚いているエロ河童の声は聞こえてきたけどな。」
「テメェの女の扱い方が、実は大したことねえってのだけははっきりしたな。」
「るせえ、デバガメボーズ。」
心なしか覇気のない声で言って煙草を取り出すのを見ていると、その目がこちらを向いた。
「何。」
『貴方のコトが、少しだけ分かったような気がする。』
「…ハイ?」
『不器用なのよね、色々と。可哀想に。』
爆発した笑い声を風がさらっていく。
「さすがですね、春炯。」
「理解が早えな。」
珍しく好意的な評価の語尾に笑いを含ませた三蔵に『ありがとう』と礼を言い、未だ唖然としているその顔を見る。
『嫌いじゃないわよ、私は。そういう人。』
「………ドーモ…。」
「おお、街だ!」
前方に、緑を湛えた大地のパノラマが広がっている。
一面の緑の中、陽光に照らされてキラキラと光る一本の川が斜めに横切り、その岸辺に小さな街が見えた。
「早く行こうぜ、八戒。俺もう腹減って死にそう。」
「はいはい。」
Next page あとがき