第10話 In a tender cage 2
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そっと離れていく腕を追いかけるように、顔を上向ける。
「あんなヤツ等だけど、放っとくワケにゃいかねえし。クソつまんねえ用事で行かなきゃならねえとこもあるしよ。」
立ち上がって先を見ていた悟浄さんが視線を感じたのかこちらを見下ろして、笑った。
「美人の願いは叶えてやりたいけど、悪ィな。」
この人はこんな風に笑えるんだ、とどこか意識とは違うところで思う。
すごく、羨ましい。
「だから、そんな目で見んなって。アンタの望みは、アンタ自身がどうにかしなきゃなんねえんだからよ。見なきゃならねえのはもっと……」
言葉を切って空を見上げた紅い瞳は私と、同じなのに。
でも多分もう、分かってる。
同じのはそれだけなんだって。
ただ目の色が同じだけ。
私達2人共ただ
「ここからは、空が見えねえんだな。」
嘆息混じりにそう呟いたその顔を、見つめる。
瞳の色が、紅いだけ。
「ずっとこんな薄暗いところにいたら気も滅入ってくるだろ。たまにゃ、青くてデカい空を見上げてみるのもいいもんだぜ。」
それ以上向けられる笑みを受けていられなくてまた、視線を落とす。
「どっかで…同じ空見上げてるヤツが、いるかもしれねえしよ。」
目の端に新しい涙が、滲んだ。