第10話 In a tender cage 2
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「お袋さんのせいにしたって、意味ないだろ。」
見開かれた流華の紅い瞳が、真正面からこちらを見つめる。
「だって、アンタが望んだんだろ。誰かに会いたい、誰かに…来て欲しいって。そいつは、アンタの願いだろっ。」
怒鳴りつけるようようにして言い放ち、流華の手首を強く握り締める。
「アンタがそう望んでたから、結界は俺らの侵入を許した。俺らは、アンタと出会うコトが出来た。そうだろ。」
俯き続ける流華が唇を、噛み締める。
望んでいたのも
――母さん
「アンタが欲しかったのは、ここから連れ出してくれるヤツか?それとも、ここにずっといて優しく肩を抱いてくれる誰かか?」
欲しかったのも多分
母さん見て!ホラ…
微かに開かれた口から漏れる音はでもまだ、言葉にはなりそうにもない。
同じ。
だけど――だけどもし
「どっちにしたって、こんなところで蹲ってたって来やしない。こんなところに迷い込んでくるのは、俺らみたいな通りすがりだけだ。だけど悪いが俺は、アンタの期待には添えない。」
本当に、同じなのだとしたら。
いつか
もしかしたら、きっと。