第10話 In a tender cage 2
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「アンタのコトになんか、興味はねえよ。」
背中に掛けられた言葉はどうしようもなく手ひどいのに、その口調は不思議と、穏やかだった。
「アンタが世を儚んで身を隠そうが、他人の目に怯えて閉じこもろうが、好きにすればいいさ。そいつが母親のせいだって言うなら、それでいい。ただ、俺達を巻き込んでんじゃねえよ。」
どうして
「今すぐ術を解いて、俺達を外に出してくれ。そしたら、後は一人で好きにすりゃあいい。」
どうして、分かってくれないの。
「どうして外になんか…出ようとするの。」
ぽつりと浮いた自分の声に、どうしてか身体が震えた。
「なんで外になんか行くのよ。貴方も同じ筈でしょ?紅い髪を、紅い瞳を、疎まれ虐げられてきたんでしょ?半妖だ、半端者だって嫌われて、虐められてきたんでしょ?なのにどうして外に行こうとなんてするの。どうして、妖怪や人間と旅なんかしてるのよ!」
嫌な記憶がないワケがない。
こんな風に生まれて。
こんな身体を、持って生まれて。
「外に出れば虐められるの!皆自分と違うモノだって遠ざけるのよ!だから母さんが私を守ってきたの!ずっとずっと、誰にも会わないようにって…誰にも傷つけられないようにって!だから…だから――っ」
「いい加減にしろ!」
強く掴まれた腕に、痛みが奔る。
「嫌!やめて――どうして分かってくれないの!」
どうして、同じだと言ってくれないの。