第10話 In a tender cage 2
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尋ねながらベッドに視線を戻した悟浄さんの横顔を、長い髪が隠す。
「…も、勿論です…。」
「…何が、見えてる。」
「母です。ずっと、寝ているんです。」
「そっとしておいて下さい」と続けるのに振り返ったその目に浮かぶそれを何と、言うのか。
「…ちゃんと見ろ。」
溜息混じりに呟いたその手が、背後を指し示す。
「その目で、しっかり。」
強い語気に自分の口から吐息にも似た小さな声が、漏れる。
カサカサに干乾びた有翼のミイラ。
静かに横たわるそれは間違いなく、母だ。
「アンタの母親は、もういない。もう誰も、アンタのコトを縛りつけちゃいないんだ。」
目に映るものよりもその言葉の方に、よろめく。
違う
そんなワケない。
「そんな……ウソよ…そんなの…」
だってなら、コレは?
私は――
「みんな、母さんのせいなの……母さんが…私を……私を、守る為だって…母さんがみんな、みんな母さんがっ」
どうして。