第10話 In a tender cage 2
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一人取り残され、大きく息を吐く。
面倒くせえ……。
もう一度同じ行為を繰り返し、家へと向かう。
実際結界など、大した障害ではない。
自分自身は太刀打ちする術を持たないが、いざとなれば三蔵がどうとでもするだろう。
それとも春炯か。
そんなことを思いながら辿り着いた室内では、変わらず皆安穏な睡眠を謳歌していた。
「……」
八戒を跨いで先程と寸分違わず同じ寝相を維持している三蔵の枕元にしゃがむ。
「三蔵、起きろ。」
ともあれ声を掛けたくらいでこの男が起きない事は分かっているので、その肩を揺さぶる。
「起きろって。オイ、三蔵。」
僅かの反応も返さず熟睡しているのに苛立ち、舌打つ。
「起きろっつってんだろ、クソ坊主。」
声を荒げて頭をはたいてみるが、それでも寝息を立て続けるのを見て眉を寄せる。
「おいっ。起きろ、生臭坊主!ハゲ!タレ目っ」
いくら熟睡しているとはいえ、これだけ悪口を吐き散らして三蔵が黙っているなんてただ事ではない。
というか、これだけの大声を出しているのに八戒と春炯が目を覚まさないのも妙だ。
嫌な予感が冷たさを孕んで、背筋を撫でる。