第10話 In a tender cage 2
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まくしたてるように告げた流華の真っすぐな紅い瞳に、奥歯を噛む。
すがるような視線をずっと受け止め続けていられるワケもなく、視線を逸らして煙を吐いた。
「…で、話ってのは?」
問いかけに、その顔に浮かぶ表情が劇的に変わる。
そこらにいる村娘と何も変わらない、ただの一人の女と同じように。
「あの、貴方の事を聞きたいんです。」
それが当たり前なのに
「俺のコト?」
「はい。あの、私は小さい頃からあまりいい事がなかったんです。住んでいた村では自分達とは違うって、妖怪からも人間からも疎まれて…」
堰を切ったように話し始めるのを見て、ますます思う。
話が聞きたかったんじゃなくて、話を聞いて欲しかっただけ。
ありがちな傾向。
「私が生まれる頃父が死んでしまいましたから、母が呪い殺したんだろうとか…父の魂を喰らって私が生まれたんだとか言う人もいて。石を投げられたり……」
「そんな暮らしがイヤになって、隠遁したってワケか。」
「あ、い…いえ、私じゃなくて母が……」
いつの間にか長くなった煙草の灰を落としながら、口を開く。
「疲れちまったか。」
「寧ろ、見かねたんだと思います。私の事を。私を守ろうと思って、こんなところに…」
答えながら顔を曇らせていく流華に、眉根を寄せる。