第10話 In a tender cage 2
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
弱弱しい朝の中で、だるそうにしゃがみ込んでいるその姿を見ながら、何度目かになる決心をする。
よし
今度こそ。
「…ぁ」
意に反して掠れてしまった声を打ち消すように、口を開く。
「おはようございます。」
少しだけ驚いたように振り返った相手のその切れ長の瞳が、瞬く。
「お、おう……」
小さく頭を下げてこちらを見るのに知らず、口の端が緩んだ。
「髪は、もう隠さなくていいのか。」
「は、はい。貴方になら平気です。」
自身の肩口で微風に揺れる紅い髪とそっくり同じ色が、同じ空気の中で、そこに在った。
「あの、私…貴方とゆっくり話がしたくて……」
「俺と?」
自嘲するように口元を歪めて笑うその様が、よく似合っていた。
全然関係ないけれど。
「クソ坊主に言われたろ。俺に近づくと危ないって。」
ヘンなの。
「で、でも貴方は私と同じだから……え、とだからっ」
自分が大きく足を踏み出した事さえ、気づかず。