第9話 In a tender cage 1
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さっさと横になる三蔵を指差してると、「仕方ありませんね」と八戒がその隣の布団に腰を落ち着けて荷物を開いた。
「悟空、春炯の隣だと何故か寝相の悪さがなくなるんですよ。鼾歯軋りも収まりますしね。」
「ハァ!?」
「この前、たまたま知ったんですけどね。悟空、トイレに行った後間違えて春炯のベッドに戻っちゃったみたいで。そのまま朝まで。」
すでに微動だにしない三蔵の向こうで、ストレッチを始めた春炯を見ていた悟空が、やおら同じ動きをし始める。
「途中で目が覚めちゃったんで暫く見てたんですけど、それまで煩かったのが嘘みたいに。不思議ですね、人間て。…どうしました?」
「…イヤ、それってどうなの?見た目ガキでも、18歳よ?一応人間の男なワケっしょ、見た目小猿かもしんないケド。」
「問題ないんじゃないですか?保護者の方がいいと言うのであれば。でも、まぁ…」
言葉を切った八戒がちらりと三蔵を見て、こちらに顔を戻す。
「僕的にはちょっと、羨ましかったですけど。」
あっけらかんと笑って言うのに咄嗟に何を言えばいいか分からず、一瞬固まってしまった。
「……あ、そ。」
心中穏やかでないであろうその背中を横目に、髪を解いて寝転がる。
『お休みー。』
「お休みーっ。」
「はい、お休みなさい。」
何が面白いのかくすくすと笑う二人の声を遠く聞いている内、いつしか眠りに、落ちていった。
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