第9話 In a tender cage 1
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ほわりとした笑みに、流華と名乗ったねーちゃんが微かに頷く。
「アンタ、優しい人だな。」
その脇から乗り出すようにしてそう言うと、薄い体がびくりと大きく後ずさってしまった。
やり過ぎたかなと思って袖を掴んだままの春炯の影にちょっとだけ引っ込む。
「餌付けされた猿か…飯をくれれば誰でも優しいなどと……」
呆れきったため息にむっとし、口を開く。
「そんなんじゃねぇよ。飯食えば分かんじゃん。優しい人じゃなきゃ、作れねえ味ってあるだろっ。」
振り返って見た三蔵と、その側の八戒が微かに目を見張る。
流華に向き直り、その紅い瞳を真っすぐに捉えると知らず、頬が緩んだ。
「すっごくうまかった!だからおかわり゛っ」
『きゃ』
後頭部に振り下ろされたハリセンから飛び散った水滴に、春炯が悲鳴を上げる。
「~くっ、首がっ」
雨を吸っていつも以上に重さを増した衝撃に、頭を押さえた。
『三蔵っ』
「節度ってモンを身につけろ、バカ猿。」
「気にしないで下さいね。本当にこれ以上、ご迷惑をかけるつもりはありませんから。」
「え、ええ……」
『大丈夫?悟空。』