第1話 Begin again
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「へえこりゃ珍しい。」
湯飲みを手に持ったまま肩越しに振り返ると、すでに半ば以上出来上がりつつある初老の男性が相好を崩していた。
「お兄ちゃん達、旅の人かい?」
「あ、ええ」ととりあえず応じると、その向こうから息子らしき人物が「へー」と物珍しげな視線を浴びせてくる。
「この物騒なご時勢に旅なんて、腕に自信あり?」
「んー、まー…それなりに?」
もぐもぐと叉焼きまんをパクつきながら言う悟空を「口にモノ入れたまま喋んな」と三蔵が窘める。
「ほー、そりゃ威勢がいいな兄ちゃん!カンパ~イ!」
「いい感じに出来あがってんなあ、親父さん。カンパ~イ。」
「すいませんね」とそばかすの散った顔に申し訳無さそうな笑みを浮かべるのに、「いえ」と手を振る。
「良い町ですね。活気があって。」
「うん。いや、ちょっと前まではねここも大変だったんだよ。町の西の外れの方にでっかい森があってさ、そこを妖怪の一団が根城にしてたんだ。そこを通らなきゃ隣町にも行けないし、あっちからもこっちに来れないし。」
「へえ?どしたのソイツ等。まさかまとめて引っ越したってワケでもねえだろ?」
ジョッキを傾けた悟浄が、片眉を上げて問う。
「巫女様だよ。」
「巫女ぉ?――っと!」
いつの間にか立ち上がっていた親父さんが、悟浄の肩を抱いて何事か耳打つ。
「………」
「?何?何々悟浄、何て?」