第9話 In a tender cage 1
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泣き出すのではないかという顔つきで悟空が叫ぶのと同時に、銃声が夜空を割った。
呻き声すら漏らさずに後ろ向きに倒れた男の体が、地に落ちる。
「テメェ等には、食いモンの有り難味ってヤツをじっくり説いてやらなくちゃならんみたいだな。」
「どうしたんだよ三蔵、説教だなんて坊主みたいじゃねェか。」
笑いながら錫杖を肩に担いだ悟浄さんに、思わず笑う。
『雨が降るかも。』
「でも、同感ですね。彼等にはとびきりきついお灸を据えてあげましょう。」
面白く無さそうに舌打った三蔵の横を抜けていった悟空の如意棒が薙ぐであろうその、先に向けて発砲する。
「ガッ」
そうしてものの3分も経たない内に辺りを包んだ静けさに息を吐くと、隣で煙草に火を点けた悟浄さんがこちらを向く。
硝煙と血の匂いを散らした夜風に紛れるようにして漂う紫煙の香りは、三蔵のそれと少し違う。
「?どした?」
銃を収めながら首を振り、口を開く。
『煙草の匂いが少し違うなと思って。三蔵と悟浄と。悟浄のは…』
小さく目を見張ってこちらを見るのに言葉を切り、首を傾げる。
『?どうかした?』
「…イエ、別に。」
「フン、気色悪ィ。」
「ンだと!?」