第9話 In a tender cage 1
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高らかに宣言して焼豚に手を伸ばした悟空の指先から、その皿を掻っ攫う。
「何すんだよ悟浄!俺の肉っ」
「だァからお前のじゃねーって!」
「いいから寄越せよクソ河童!明日の分も食っとかなきゃいけないんだからっ」
「そのバカみてェな食い意地のせいで食料が足りなくなってんだよ!少しは自覚しろチビ猿!」
高く持ち上げた皿を目掛けてよじ登るようにのしかかって来るのに怒鳴り返しながら、左腕を振り回す。
「腹が減るんだからしょーがねえだろっ」
「ちったあ我慢しろ!」
どんっ、と突き飛ばした悟空がよろけながら後ろへ倒れ、反動で自身の体もバランスを失う。
硬い感触にぶつかり振り返りかけた目の端で、八宝菜に入っていたものであろう車海老がポトリと地面に落ちるのが見えた。
「ワリ――
ガゥン ガゥン ガゥン
「いい加減、大人しく飯食う事覚えろ。学習能力ってモンがねェのかお前等ッ」
その言い様に口を開きかけた時、頭上から声が降ってきた。
「見つけたぞ三蔵一行!経文と貴様等の命、頂いていく!!」
「学習能力のないのが、あっちにも湧いて出やがった…」
心底煩わしさを込めた溜息を吐きながら呟いた三蔵の横で、春炯がちらりと視線を向ける。
『あれは毎回面子が違うと思うけど。』