第9話 In a tender cage 1
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「そんな怖い顔しないで下さい。明日の昼過ぎには次の町に着きますから。飢えて死ぬような事はありませんよ。」
この世の終わりみたいな顔をした悟空と、非難を隠さない悟浄の隣で箸を進め始めた春炯の肩に、ジープが降り立つ。
『欲しい?でもこんな味の濃いもの食べてお腹壊したりしないかしら?』
クルクルと鳴くのにその顔が綻ぶのを見て、自分も食事を再開させる。
「で、でも明日の朝飯もないって事だろ?」
「それくらいは勘弁して下さい。」
「そんな……」
「このバカが際限なく食う事は分かりきってただろ。どうしてもっと余分に買いだめておかなかった。」
「そうだぜ。金なら三蔵のパトロンがいくらでも出してくれんだ。食いきれない程買ったって良かっただろ。」
「これでも、随分余裕を見て買ってるんですけどね。それに、ジープに積める量にも限界がありますから。」
肩を竦めて答えると、各々納得したのか腰を落ち着けてくれた。
が。
『もう悟空、そんなにしょげないで。』
しゅんと萎れたままの悟空の背に、春炯が手を触れさせようとした瞬間。
パッと顔を上げたその瞳が、何か恐らくとても原始的な思いつきに輝く。
「しょうがねえから明日の朝の分も今食っとく!」